熊本日日新聞に、当院の救急活動が取り上げられました。バス乗客の急変対応です。
2022.12.27 メディア
12月中旬、熊本市内を走行中の路線バス内で20代の男性が意識を失ったが、バス運転手の機転と、他の乗客や近くの病院の見事な連携によって救われる事案があった。
熊本バスなどによると14日正午前、「桜町バスターミナル」発「砥用・学校前」行きのバスが熊本市南区の県道熊本浜線を走行中、乗客の20代男性が突然、意識を失った。後に、男性はてんかんの発作を起こしていたと分かった。
運転手は乗車歴11年でルートを熟知するベテランの川本洋治さん(57)。川本さんは約500メートル先に救急患者を受け入れる東(あずま)病院があることを思い付く。バスを病院横まで走らせて緊急停車。安全上バスを離れられない川本さんに代わり、乗客2人が病院に駆け込み事情を説明した。すぐに医師や看護師が駆けつけ、ストレッチャーに乗せて男性を病院に運んだ。その間、病院職員が片側1車線の道路を交通整理して収拾を図ったという。
東病院では点滴などの救急処置を施し、男性の所持品などからかかりつけ医を特定して転送した。男性はその後、無事に回復した。
熊本バスは、車内に緊急患者が出た際は原則、運転手が119番通報して救急車を呼ぶよう指導している。ただ今回の川本さんの機転には同社熊本中央営業所の大石憲嘉所長(55)も「経験を生かして人命を最優先した見事な判断だったと思う」。営業所には男性の家族から感謝の言葉も寄せられた。
取材のきっかけとなる情報を熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に寄せた熊本市南区のパート男性(54)は「たまたま現場を目撃したが、すばらしい連携に感動した」とした。(岡本遼)